学校教育の業界では、教員の配置や転勤についてローカルルールを持つ地域が少なくありません。島嶼地区に都立高校を有する東京都は、島以外の全日制普通高校で一定期間勤めた教員に、島嶼地区の職場を転勤先の一つとして選ばせるローカルルールがあります。

島嶼地区への勤務は島の住民以外は敬遠しがちです。そのため、給与に上乗せされる「へき地手当」を設けたうえで、島嶼地区への転勤を促しています。島嶼地区への転勤を選択しなかった場合は、定時制高校や特別支援学校などを選択しなければなりません。工業高校や商業高校などの職業高校も選択肢の1つになります。

どれも島嶼地区と同様に賃金の上乗せが行われますが、やはり教員の希望者が少ない傾向があることは否定できません。4つの選択肢の中から選択しない教員には、生活指導に注力している生活指導困難校への転勤を提案される可能性があるでしょう。生活指導困難校では、学習指導よりも日常生活のルールを教える場面が多く、教員の負担も大きいと言われています。

以上のような特殊な事情のある勤務先に一定期間務めると、島嶼地区以外の全日制普通高校に再就任することができます。また、このような特殊な学校には多くの新任教員が着任するローカルルールもあるので、教員の平均年齢が低い傾向があると言えるでしょう。そこで、他の高校を経験してから転勤してきた教員は、教務課や生活指導課などの課長を引き受けるというローカルルールもあります。